近年、企業経営を取り巻く環境は大きく変化しています。
特に、コロナ禍以降、売上の急減・需要の不安定化に直面し、「どこまで売上が落ちても耐えられるのか」を把握できていない企業は、大きなリスクを抱えることになりました。

航空業界や外食業界をはじめ、設備投資や人件費といった固定費の比率が高い業界ほど、その影響は深刻です。
売上が少し下がっただけで一気に赤字に転落するそんな事態を避けるために、今あらためて注目されているのが損益分岐点という考え方です。



損益分岐点とセットで理解すべき指標が安全余裕率です。
「今の売上はどれくらい余裕があるのか」「どの程度の売上減少まで耐えられるのか」を数値で可視化できるため、経営の意思決定において非常に重要な役割を果たします。
この記事では、損益分岐点の基本的な考え方から、なぜそれが経営判断に欠かせない指標なのかを丁寧に解説します。
- 損益分岐点を「計算したことはあるが、経営判断には使っていない」実務担当者
- 売上が下がったときの「危険ライン」を把握できていない経営者・管理職
- 安全余裕率は何%あれば安心なのか、明確に知りたい方
損益分岐点について


まず、会社は営利目的であるので、利益を出さなければいけません。売上高よりも費用が上回れば利益が赤字になってしまいます。
売上高と費用がイコール、つまり利益がゼロの時が損益分岐点になります。
損益分岐点は製品をいくつ製造し、製造したものをいくらで何個売れば赤字にならないのかという視点で経営判断に必要不可欠なものなのです。
例えば、売上高が100,000円で売上原価が60,000円とします。
そうすると、売上総利益が40,000円になりますよね。
人件費が18,000円で家賃が12,000円かかったとすると、手元に残った営業利益が10,000円になります。
ここで、重要なのが変動費と固定費になります。
変動費は売上原価の60,000円、そして、いくつ売っても変動しない固定費は人件費と家賃の合計30,000円ですね。
損益分岐点を算出するために変動費率を求めなければなりません。
変動費率は変動費60,000円を売上高100,000円で割ったもので、変動費率は0.6になります。
ちなみに、売上高が300,000円と5倍になったとしても、変動費率0.6から売上高300,000円を掛けて、変動費180,000円を求めることができます。
ここで押さえておきたいことは、利益がゼロという前提であれば、売上高は変動費と固定費を足すとイコールになるということです。
それをもとに売上高をx円として、損益分岐点売上高を求めると、
売上高x円 = 変動費率0.6×売上高x円 + 固定費30,000円
損益分岐点売上高は75,000円になります。
損益分岐点を要素として経営判断の意思決定をすることは重要なので、ぜひこの例を参考に覚えておいてくださいね。
安全余裕率について


安全余裕率とは、損益分岐点売上高に対して実際の売上高がどれだけ乖離しているかということを示す指標になります。
安全余裕率の計算方法はこちらになります。
安全余裕率 = (実際の売上高ー損益分岐点売上高) ÷ 実際売上高 × 100
当たり前になりますが、安全余裕率の割合が高いほど利益が安定しています。
ここで、安全余裕率がどれくらいあれば安定しているのかについてはこちらを参考にしてください。
- 10%未満:危険領域 改善が必要
- 10%以上〜20%未満:平均的な水準
- 20%以上〜30%未満:良い
- 30%以上〜:優秀
まとめ
今回は、損益分岐点は経営の意思決定で必要というテーマで解説しました。
特に、コロナ禍では急激に売上高が減ることもあるので、経営計画を立てる上で、損益分岐点売上高は非常に重要な手法といえます。
また、安全余裕率を指標に自社がどれだけ経営が安定しているのかを確認するのも必要なことですね。
ぜひ、損益分岐点や安全余裕率について取り入れていないのであれば、すぐにでも使えるので実践しましょう。








